第14回研究会報告(2020/09/09)

伊藤科研 第14回「海外における平安文学」研究会報告

■日時:2020年9月4日(金)13:00~15:00

■場所:Zoomによるオンライン開催

■プログラム

・13:00~13:10   挨拶(伊藤鉄也)

・13:10~13:40   研究発表「『百人一首』のハンガリー語訳注作成とハンガリーかるた会の草創について」(フィットレル・アーロン/カーロイ・オルショヤ)

・13:40~13:50   質疑応答

・13:50~14:10   研究報告「翻訳機を使った翻訳についての調査報告」(吉見さえ)

・14:10~14:20   質疑応答

・14:20~14:40   研究報告「伊藤科研所蔵書籍の分類とデータベース化」(吉村仁志)

・14:40~14:50   質疑応答

・14:50~15:00   挨拶(フィットレル・アーロン)

 

■議事録

・研究発表「『百人一首』のハンガリー語訳注作成とハンガリーかるた会の草創について」(フィットレル・アーロン/カーロイ・オルショヤ)
発表資料:(発表資料・令和2年9月4日)「『百人一首』のハンガリー語訳注作成について」(フィットレル・アーロン)
(発表資料・令和2年9月4日)「ハンガリーのかるた会と『百人一首』の初期の翻訳」(カーロイ・オルショヤ)

まずカーロイ氏からハンガリーのかるた会やかるた普及活動の紹介と『百人一首』の歌のハンガリー語訳史についての発表があった。かるたに関する活動については写真が多く、当時の様子がよくわかる内容であった。また『百人一首』のハンガリー語訳は現状ほとんどが重訳または現代語訳からの翻訳であり、日本の研究成果を踏まえた全訳は作成されていないということが報告された。次にフィットレル氏から2021年5月頃刊行予定の『百人一首』のハンガリー語訳注の作成についての発表があった。訳注の題名、想定する読者層、構成と内容、参照した主な注釈書や研究書、訳注作成手順について言及された。内容については百首の歌毎に原文、読み(ローマ字)、翻訳、語注、歌に関連する詳しい情報がある他、和歌史や成立に関する解説や年中行事や家系図などの付録が掲載されるとのことであった。また翻訳にあたっては表現の統一や区別に注意する必要があるということにも言及された。表現の統一の例として参議篁(11)と法性寺入道前関白太政大臣(76)の二首を挙げ、「わたのはら」と「こぎいで」の部分の表現を統一していることが説明された。

 

・研究報告「翻訳機を使った翻訳についての調査報告」(吉見さえ)
発表資料:(発表資料・令和2年9月4日)「翻訳機を使った翻訳についての調査報告」(吉見さえ)

三つの翻訳機を用いて『源氏物語』「須磨」巻ロシア語訳の日本語への訳し戻しを行なった結果とそれぞれの特徴についての報告であった。固有名詞の訳の一定性や語順、和歌の形式、正確さなどについて言及された。最後に、代名詞の把握や原文における価値観や文化など文脈に即した翻訳、文章の自然さという観点ではまだまだ課題が多いものの、その原文の意味を語義的に理解したければ翻訳機は一定の役割を果たすだろうという考察が述べられた。報告後、機械翻訳はデータが多い言語の方が精度は高く、ロシア語やスラブ系言語にあまり関心が向いていないのが現状であること、データの量の問題から文学の翻訳の精度向上はまだまだ先になるであろうことが野本氏によって言及された。その後、土田氏から現段階では日本文学がどのように翻訳されているかを理解するというよりはどの部分の翻訳なのか見当をつけるために役立つのではないかと言及があった。またカーロイ氏からアプリケーション等で機械翻訳を利用可能かという質問があり、「KAZUNA E Talk 5」のみアプリケーションの配信が確認されていることが吉見氏から報告された。

 

・研究報告「伊藤科研所蔵書籍の分類とデータベース化」(吉村仁志)
発表資料:(発表資料・令和2年9月4日)「伊藤科研所蔵書籍の分類とデータベース化」(吉村仁志)

本科研所蔵の翻訳関連書籍の管理についての報告であった。「言語.作品.分類.初版刊行年_刊行年.翻訳者記号.個別番号(_巻番号)」からなる書籍毎に一意の記号を作成した。言語や作品の情報を含むことで配架場所等の確認も容易に確認できるようになっている。その他、冊数や所蔵場所等の情報も加えたデータベースをExcelで管理しており、検索、ソート、フィルタリングが容易にできるようになっている。報告後、本科研所蔵書籍は来年度大阪観光大学に移管すること、データや研究成果はNPO法人源氏物語電子資料館によって引き継いでいくこと、翻訳本を広く活用しようと考えていること、より多くの本を入手するために人的ネットワークが重要であること、翻訳本を一箇所に集める意義があるということなどが伊藤氏から報告された。また新型コロナウイルスの影響で新しい本の入手が現在困難であることが大山俊哉氏から報告された。

以上

文責:吉村

第13回研究会報告(2020/03/18 情報訂正)

伊藤科研 第13回「海外における平安文学」研究会報告

 

■日時:2020年2月8日(土)14:00~18:00

■場所:大阪大学箕面キャンパス 日本語日本文化教育センター1階 多目的ホール

■プログラム

・ 挨拶(伊藤鉄也) 14:00~14:05

・ 自己紹介  14:05~14:20

・研究発表「Transcreation(翻訳創造)としてのウェイリー訳-原典とadaptationの間を見つめる-」(緑川眞知子)14:20~14:40

・研究発表「20世紀初頭のフランスにおける『枕草子』受容」(常田槙子)14:40~15:00

・研究発表「『万葉集』のドイツ語訳における序詞の受容-同音類音反復式の序詞を中心に-」(フィットレル・アーロン)15:00~15:20

・休憩(20分)

・ 研究報告「百人一首のフランス語訳についての考察と翻訳実践」(飯塚ひろみ)15:40~16:00

・研究報告「中国での国際シンポジウムを終えて」(伊藤鉄也、須藤圭)16:00~16:20

・共同討議「平安文学を翻訳すること」(参会者全員)16:20~16:50

・ 挨拶、連絡事項(伊藤鉄也)16:50~17:00

・科研運用に関する打ち合わせ 17:00~

 

■議事録

・研究発表「Transcreation(翻訳創造)としてのウェイリー訳-原典とadaptationの間を見つめる-」(緑川眞知子)200208_緑川先生第13回研究会資料 200208_緑川先生第13回研究会資料(PowerPoint)
ウェイリーの言葉とされる「transcreation」という点からのウェイリー訳の考察であった。
具体的には絵合巻を取り上げ、「大臣もいという(優)におほえ給て」という部分の訳し方に着目された。ウェイリーはこの部分を「Genji felt smmewhat shy」と訳している。「shy」は「いう(優)に」に対応していると考えられる。ウェイリー訳の日本語訳である佐復訳と姉妹訳において、この部分はそれぞれ「源氏はいくぶん気恥ずかしく感じ、」「ゲンジもいささか気遅れがして」と訳されており、誤訳のように思われる。しかし当時の辞書にもこの語は載っていた事から単に訳し間違えたとは考えにくく、むしろ自分の中でロジックが通じるように意図的にこのような訳としたのではないか、という発表であった。

 

・研究発表「20世紀初頭のフランスにおける『枕草子』受容」(常田槙子)200208_(改)常田先生第13回研究会資料
20世紀初頭のフランスにおける『枕草子』の翻訳者とその人間関係、随筆の定義等を踏まえながらそれぞれの訳を比較検討するものであった。石川とルヴォンは「随筆」を「筆に任せて」書かれた特殊なジャンルだとしているが、この考えはボジャールには引き継がれていないとのことであった。また石川によって随筆がフランス語でいう「印象派文学」であるという点に着目しての考察があった。それぞれの訳の比較には「春はあけぼの」の章段が取り上げられた。
その他、「あはれ」という語の訳され方の特徴や『枕草子』を随筆というジャンルに入れる事の問題点等にも言及された。

 

・研究発表「『万葉集』のドイツ語訳における序詞の受容-同音類音反復式の序詞を中心に-」(フィットレル・アーロン)200208_フィットレル先生第13回研究会資料
『万葉集』のドイツ語訳における同音反復の序詞について、翻訳者が見たと考えられる注釈等を踏まえつつ、具体例を示しながらその特徴を考察するものであった。序詞の訳し方を、序詞と心情部の関係を内容的にまたは文法的につなげるかどうか大きく二つに分けた上で、原典の歌の特徴からさらに細かく分けて考察された。具体例を一つずつ取り上げ、翻訳者の傾向などについても言及があった。

 

・研究報告「百人一首のフランス語訳についての考察と翻訳実践」(飯塚ひろみ)200208_飯塚先生第13回研究会資料
百人一首歌のうち5首を取り上げ、先行する4種類のフランス語訳における手法を考察した上で、飯塚氏によるフランス語訳の実践を紹介するものであった。先行訳はそれぞれ5行書きや冒頭大文字などの型がある。しかし飯塚氏は何のために、誰のために訳すべきであるのかが現時点では不明であるいう点を踏まえ、型を定めずに訳を実践された。具体的には枕詞をあえて訳出しない、説明的な訳を付け加えて6行にする事でフランスの6行詩に近づける、など様々な試みがあった。

 

・研究報告「中国での国際シンポジウムを終えて」(伊藤鉄也、須藤圭)200208_須藤先生第13回研究会資料
2019年12月20日から22日に行われた「2019年度中日比較文学国際研究会」の報告であった。
分科会では中古・中世・近世に受容された『源氏物語』から翻訳についての発表が行われた。
中古では様々な物語や和歌が『源氏物語』に影響を受けたことについて、翻訳においてどのように向き合うことができるかということに言及された。中世では古註釈の影響を翻訳にどのように組み込んでいくかということに言及された。近世では『源氏物語』の俗語訳者の「翻訳意識」を探るために、用いられた用語や比喩などを考察したものであった。

 

・共同討議「平安文学を翻訳すること」(参会者全員)
*まず吉海氏から、昔は日本文学の翻訳というと英訳が主であった。しかし、現在は様々な言語に翻訳されていることがわかっていること、ネットや動画により日本文学が広く享受されるようになっていること、翻訳機の登場、原典と異なる訳であっても読者に享受されること等々、これからの学問について言及された。翻訳機については現在写真による翻訳ができるものがあることや、AIによる劇的な精度向上が進んでいるということが、伊藤氏や須藤氏から報告された。

 

*緑川氏の発表について、ウェイリー訳に辞書は影響を与えたのか、誰に向けて書かれたのか等の質問があった。辞書についてはウェイリーの環境等から考えると見たはずであろうとのことであった。想定されていた読者としてはブルームスベリーの人々が第一ではないか、とのことであった。またウェイリー訳は原典のリライトであり、その訳し戻しはリライトのリライトであるとのことであった。これについてモハンマド氏から、インドではすべてウェイリーの重訳であることが報告された。しかし、ウェイリー訳の問題点についても言及し、翻訳の目的や方法を考えていくことや対象となる読者の社会的背景を踏まえることの必要について言及された。また機械翻訳については、どの程度文学に使うことができるのかについての疑問も呈された。

 

*常田氏の発表について、吉海氏から『枕草子』は随筆というジャンルに入れない方が良いという事について、さらなる言及があった。常田氏はこれに賛同し、同様に『枕草子』をエッセイとする学生がいるという問題についても言及された。

 

*飯塚氏の発表について、伊藤氏から各国語訳で同様の取り組みを行うことでそれぞれの特徴を掴むことができるのではないか、という言及があった。

 

以上

 

文責:吉村

第12回研究会報告(2019/12/18)

伊藤科研 第12回「海外における平安文学」研究会報告

 

■日時:2019年3月14日(木)14:00~17:00

■場所:大阪観光大学 明浄1号館4階141セミナー室

 

■プログラム

・挨拶(伊藤鉄也)14:00~14:05

・自己紹介 14:05~14:20

・報告「2018年度の活動報告と2019年度の活動予定」(大山佳美)14:20~14:30

・研究発表「桐壺更衣に準えられた后妃たち-『今鏡』の后妃記事に見る『源氏物語』享受の様相-」

(小笠原愛子)14:30~15:10

・休憩(20分)

・研究発表「本歌取りの翻訳の可能性について」(フィットレル・アーロン)15:30~16:10

・休憩(20分)

・報告「2018年度の活動から学んだこと」(池野陽香、門宗一郎、田中良、松口果歩、松口莉歩) 16:30~16:50

・挨拶(伊藤鉄也)16:50~17:00

・連絡事項

 

■議事録

・報告「2018年度の活動報告と2019年度の活動予定」(大山佳美)

本科研における2018年度の活動報告と、2019年度の活動予定についての報告がおこなわれた。

具体的には、

(1)ペルー、アメリカ、ミャンマー、ルーマニアで調査研究を実施した

(2)『平安文学翻訳本集成《2018》』を刊行した
(3)ルーマニア語訳『源氏物語』を発見し、翻訳者と会談をおこなった
など、2018年度は多彩な活動をおこなった。

・研究発表「桐壺更衣に準えられた后妃たち-『今鏡』の后妃記事に見る『源氏物語』享受の様相-」(小笠原愛子)

歴史物語の新しい見方を示してくださった発表であった。『今鏡』は平安時代の秩序と違う書き方をしている、ということから始まり、「桐壺」巻ではできなかった皇妃の扱いが、院政期ではできたことが多い、という指摘があった。『今鏡』はあまり読まれない作品であるものの、さまざまな切り口があることがわかる内容であった。特に、桐壺更衣に重ねられる美福門院得子などには、翻訳とでも言うべき変容がうかがえて興味深い発表でもあった。

質問としては、「平安時代に日本書紀が読まれていたけれども、それが中断されてから、『大鏡』はどれだけ読まれていたのか?」『今鏡』も当時はどれだけ読まれていたのか?」などがあり、時代背景に関する意見交換もあった。

 

・研究発表「本歌取りの翻訳の可能性について」(フィットレル・アーロン)

『新古今集』を中心とした和歌を英訳した場合を例示して、本歌取りに関する英訳の特色と違いを検討するものであった。Honda 訳、Rodd 訳、Mostow訳を比較検討しながら、引歌の認定や解釈の諸相に切り込むものであり、あくまでも中間報告としながらも、多彩な観点からの考察であった。

質問としては、「翻訳者においてルールがあるのか?」、「西洋の引用などの実態についてはどのようなものであるのか?」、「解釈と美的な視点での格調の違いはなにか?」などがあった。

また、フィットレル氏から、『平安文学翻訳本集成〈2018〉』の翻訳史年表の間違いをいくつか指摘していただいたので、掲載しておく。なお、以下の3点は後日、修正をおこなった。

(誤→正)

・1978『枕草子』 ハンガリー語 → ルーマニア語

・1977『枕草子』 ハンガリー語 → ルーマニア語

・1875『土左日記』ドイツ語 → 英語

 

・報告「2018年度の活動から学んだこと」(池野陽香、門宗一郎、田中良、松口果歩、松口莉歩)

本科研における2018年度の活動について、報告者から各自感想を述べてもらった。

・街中の変体仮名が気になりだした

・本屋で洋書コーナーに行くようになった

・知らない言語を見るのが楽しくなった

・展示を通して多くのスキルを学んだ

・編集でフォントの違いと扱い方を知った

・仕事の裏側を知って人の苦労がわかった

以上

 

 

 

第11回研究会報告(2019/12/18)

伊藤科研 第11回「海外における平安文学」研究会報告

 

■日時:2018年6月20日(土)17日(日)14:00~18:00

■場所:大阪観光大学 明浄1号館4階141セミナー室

 

■プログラム

・挨拶(伊藤鉄也)14:00~14:05

・自己紹介 14:05~14:20

・報告「2017年度の活動報告と2018年度の活動予定」(大山佳美)14:20~14:30

・報告「インド・ミャンマーの調査研究に同行して」(松口果歩・松口莉歩)14:30~14:50

・研究発表「『更級日記』をハンガリー語に翻訳して」(フィットレル・アーロン)14:50~15:25

・休憩(20分)

・研究発表「文化伝達の視点から見る『源氏物語』の中国語訳-豊子恺、林文月、葉渭渠の訳を例として-」

(庄婕淳)15:45~16:20

・研究発表「ビルマ語訳『源氏物語』を日本語に訳し戻して」(エー・タンダー・ナイン)16:20~16:40

・休憩(20分)

・共同討議「翻訳者とともにビルマ語訳『源氏物語』を考える」17:00~17:45

司会進行 伊藤鉄也

ディスカッサント ケィン・キン・インジィン、森銑一

・連絡事項

 

■議事録

・挨拶(伊藤鉄也)

初参加者に向けての科研の紹介と今後の展開について、研究代表者より説明があった。また、参加者の簡単な自己紹介がおこなわれた。

 

・報告「2017年度の活動報告と2018年度の活動予定」(大山佳美)

本科研の2017年度における活動および2018年度の活動予定についての報告がおこなわれた。

 

・報告「インド・ミャンマーの調査研究に同行して」(松口果歩・松口莉歩)

行程表をもとにして、学生の視点からのわかりやすい報告がなされた。実に多くのスケジュールをこなした旅であり、充実していたことが、十分に伝わってくる報告であった。

 

・研究発表「『更級日記』をハンガリー語に翻訳して」(フィットレル・アーロン)

発表者は2018年3月に刊行されたハンガリー語訳『更級日記』の翻訳者である。そのことから翻訳をして行く中でわかったさまざまな問題点をまとめた発表であり、ハンガリー語がフィンランド語や日本語に近い言語であることや、出版にあたって写真や図版の権利関係の処理に関する話など、翻訳者ならではの視点にあふれた内容であった。

 

・研究発表「文化伝達の視点から見る『源氏物語』の中国語訳-豊子恺、林文月、葉渭渠の訳を例として-」(庄婕淳)

絵や注に関して興味深い問題提起があり、異文化コミュニケーションの問題意識が明確に伝わってくる内容であった。質疑はローマ字表記に集中し、大事な問題であることを再確認した結果となった。

 

・研究発表「ビルマ語訳『源氏物語』を日本語に訳し戻して」(エー・タンダー・ナイン)

発表者は、『源氏物語』に対する知識が少ない状態で日本語へ訳し戻しをおこなったとのことであった。翻訳をおこなった感想は文化を言葉で伝えることの難しさがわかったということであった。発表者が作成した訳し戻しデータは、「桐壺」のみのデータであるとはいえ、共同研究する上で、十分に活用できる基礎資料となっている。次はその分析に着手してもらうことで、さらなる成果につながることが期待できる内容であった。

 

・共同討議「翻訳者とともにビルマ語訳『源氏物語』を考える」

日本語への訳し戻しを行ったナイン氏が投げかけたビルマ語訳『源氏物語』のいくつかの疑問から、ディスカッションは始まった。詩人である翻訳者ケィン氏のビルマ語訳が、非常にレベルの高い文学的な翻訳であることが、意見交換の中から浮かび上がり、大きな収穫となった。

参加者から出た翻訳者ケィン氏への質問を以下にまとめておく。

・推薦の序文を書かれたナンダーモーチェさんはどのような方か?

・訳者の序文に、パキスタンでも翻訳されているとあるが、どういった事情があるのか?

・典拠としたとする田辺聖子訳『新源氏物語』には、「桐壺」と「帚木」がない。ビルマ語訳の「桐壺」は何を参考として訳したのか?

・「帚木」の雨夜の品定めがないことはなぜか?

・「空蝉」にある「不倫」という言葉は日本と同じ意味か?

 

以上

 

 

 

第10回研究会報告(2019/12/18)

伊藤科研 第10回「海外における平安文学」研究会報告

 

■日時:2018年1月20日(土)14:30~18:00(開場:14:00)

■場所:水道橋駅前ホール

 

■プログラム

・挨拶(伊藤鉄也)14:30~14:35

・自己紹介 14:35~14:50

・報告「2017年4月~12月までの研究報告」(淺川槙子) 14:50~15:00

・報告「2018年度の研究計画」(池野陽香) 15:00~15:10

・研究発表「インドにおける『源氏物語』の読みのパラダイム:ウルドゥー語の翻訳を通して①」

(モハンマド・モインウッディン) 15:10~15:40

・研究発表「中国における世界文学としての『源氏物語』-中国語訳の序を通じて-」(庄婕淳) 15:40~16:10

・休憩(10分) 16:10~16:20

・研究紹介「「翻訳論」の意味を考える」(谷口裕久) 16:20~16:30

・研究紹介「『今昔物語』に現れたインドのイメージ」(佐久間留理子) 16:30~16:40

・研究発表「翻訳書籍の展示報告」(池野陽香) 16:40~16:55

・研究発表「『源氏物語』ベトナム語訳し戻し」(松口果歩・松口莉歩) 16:55~17:15

・研究発表「橋本本における『は』と『ば』」(門宗一郎・田中良) 17:15~17:25

・ディスカッション 17:25~17:50

・連絡事項 17:50~17:55

 

■議事録

・挨拶(伊藤鉄也)

初参加者に向けての科研の紹介と今後の展開について、研究代表者より説明があった。また、参加者の簡単な自己紹介がおこなわれた。

 

・報告「2017年4月~12月までの研究報告」(淺川槙子)

2017年4月~12月の間で、本科研が取り組んだ調査研究について報告をおこなわれた。

 

・報告「2018年度の研究計画」(池野陽香)

本科研2年目となる来年度の研究計画についての内容紹介と、提案に関して参加者から意見をうかがった。

 

・研究発表「インドにおける『源氏物語』の読みのパラダイム:ウルドゥー語の翻訳を通して①」

(モハンマド・モインウッディン)

ウェイリー訳、フサイン訳、本科研の研究協力者である村上明香訳の違いから、インドの読者に伝わる訳はどうすべきかを、具体例を元にした発表であった。「日本の文化や慣習がどう伝わっているか」という大きな問題について、今後も考えていく必要があると痛感する内容であった。

 

・研究発表「中国における世界文学としての『源氏物語』-中国語訳の序を通じて-」(庄婕淳)

10種類の中国語訳『源氏物語』の序文を比較検討し、中国の読者に伝えたい意図について考察するものであった。中国語訳の研究は、細かな訳の違いを論ずるものが多い中で、中国語訳を熟知した庄氏ならではの、序文から見た違いに言及する、興味深いものであった。

 

・研究発表「翻訳書籍の展示報告」(池野陽香)

研究代表者が所蔵する翻訳書籍を大阪観光大学図書館で展示を行った事についての報告と、展示解題として用いた解説文の内容に関する発表であった。現在、解説文をもとにさらに調査研究した内容を1冊の書籍にまとめる準備が進んでいる。今回の発表はその総括として行われた。なお、この解説文を集めたデータは、『平安文学翻訳本集成2018』というタイトルの報告書の一部として、2019年3月に発行された。

 

・研究発表「『源氏物語』ベトナム語訳し戻し」(松口果歩・松口莉歩)

1991年にトヨタ財団の助成により翻訳された、ベトナム語訳の『源氏物語』について、日本語への訳し戻しを行った事についての研究発表であった。発表者にとって未習言語であるベトナム語を日本語に訳し戻すという作業は、初めて取り組むことでもあり、着手して間もない現在の状況をありのままに報告し、今後の進むべき方向を問う、というものであった。研究方法について、参加者からは有益なアドバイスをいただいた。また、ベトナム語の単語の並び方については、早速検討すべきこととなった。

 

・研究発表「橋本本における『は』と『ば』」(門宗一郎・田中良)

橋本本『源氏物語』(国文学研究資料館蔵)を、変体仮名をそのまま翻字する形式(変体仮名翻字版)で翻字を行った際に、本文中に登場した「は」と「ば」の字母に関する発表であった。提示した疑問に対して、それぞれの分野の専門家から的確な答えをいただけたのが収穫であった。平安時代には、濁音を表記する仮名文字はなかったとされているそうであり、大量の資料をもとにしてのものではないようであるとの意見があった。今後ともこのテーマは意外な事実が浮き彫りになるかもしれないという、期待を抱かせる発表となった。

 

・ディスカッション

各発表および本科研の研究に関して、参加者全員でディスカッションを行った。

 

以上

 

 

 

第9回研究会報告(2019/12/18)

伊藤科研 第9回「海外における平安文学」研究会報告

 

■日時:2017年6月30日(金)13:30~17:00

■場所:大阪観光大学 明浄1号館4階141セミナー室

 

■プログラム

【第一部】

・世界中で翻訳された『源氏物語』の展示解説(伊藤鉄也) 13:30~13:50

 

【第二部】

伊藤科研 第9回研究会 14:00~17:00

・挨拶(伊藤鉄也)14:00~14:05

・自己紹介(参加者全員) 14:05~14:20

・科研の趣旨説明(伊藤鉄也)14:20~14:30

・研究発表「「海外源氏情報」にみる海外で翻訳・出版された平安文学情報」(淺川槙子)14:30~14:45

・休憩(15分)

・研究発表「『とりかへばや物語』における男君考-なぜ男君は悩まないのか-」(長内綾乃)15:00~15:25

・研究発表「『とりかへばや物語』の中国語訳の試み」(庄婕淳)15:25~16:00

・休憩(15分)

・研究発表「雀の子を犬君が逃がしつる」の外国語訳と現代語訳」(須藤圭)16:15~16:50

 

■議事録

・挨拶(伊藤鉄也)

初参加者に向けての科研の紹介と今後の展開について、研究代表者より説明があった。また、参加者の簡単な自己紹介がおこなわれた。

 

・研究発表「「海外源氏情報」にみる海外で翻訳・出版された平安文学情報」(淺川槙子)

日本文学のどの作品が、どの言語で翻訳されているか、ということはもちろんのこと、翻訳されていない作品のことや、なぜこのような作品が翻訳されているのか、ということが浮き彫りになる発表であった。

 

・研究発表「『とりかへばや物語』における男君考-なぜ男君は悩まないのか-」(長内綾乃)

発表者は学部4年生である。卒業論文をどのような内容にするかという事に対しての自分の問題意識を明確にした発表であった。

 

・研究発表「『とりかへばや物語』の中国語訳の試み」(庄婕淳)

実際に自分で『とりかへばや物語』を翻訳しての問題点が取り上げられた。具体的だったので、短時間ながらもみんなで参加できる討論ができた。男性という性についての意見が楽しく展開する、おもしろい話題に身をおくことになった。これは、多言語における異文化交流の観点からも、世界中の方々と意見を交わせるテーマであった。

 

・研究発表「雀の子を犬君が逃がしつる」の外国語訳と現代語訳」(須藤圭)

教科書に採られている有名な場面を、さまざまな訳文を提示して比較検討する、おもしろい問題提起がなされた。1つの言語における訳文の検討だけでも、多彩な問題が見えてくることがわかる発表であった。多言語となると、さらに問題のスケールが大きくなり、多彩な意見交換の場となるはずである。

 

以上

 

 

 

 

第8回「海外における平安文学」研究会報告(2016/06/18)

2016年度 伊藤科研 第8回研究会
日時:2016年6月18日(土)15:00〜19:00
場所:中央区京橋区民館(2階) 第3号室

6月18日(土)中央区京橋区民館にて、第8回研究会を開催しました。

■ 発表内容

・挨拶(伊藤鉄也)

・2016年度4月・5月の研究報告(淺川槙子)/科研サイトの運営報告(加々良惠子)

・2016年度の研究計画(伊藤鉄也)

・発表「スペイン語版『伊勢物語』における官職名の訳語について:「大臣」「中将」「馬の頭」を中心に」(雨野弥生)

休憩(20分)

・発表「ウルドゥー語版『源氏物語』の特徴と問題点:「桐壺」を中心に」(村上明香)

・発表「十帖源氏 桐壺の巻のウルドゥー語翻訳に関する所感」(麻田豊)

休憩(20分)

・共同討議

・諸連絡(淺川槙子)

■ 議事録

●挨拶(伊藤鉄也)
初参加者に向けての科研の紹介と今後の展開について、伊藤より説明がありました。また、参加者の簡単な自己紹介がおこなわれました。

●2016年度4月・5月の研究報告(淺川槙子)
前回の研究会からの研究成果について報告がありました。特に、継続的にエスペラント語の翻訳をおこなっている方からの連絡があったことを紹介し、正式に各国語訳『源氏物語』のリストに追加したことを報告しました。最終的に各国語に翻訳されている『源氏物語』は33言語になりました。

●科研サイトの運営報告(加々良惠子)
最近1年間のアクセス数の概況と、実装済みサービスについての説明、今後公開予定のデータについての連絡がありました。

● 2016年度の研究計画(伊藤鉄也)
以下の項目について報告がありました。
・ 各国語訳『源氏物語』訳し戻しの現況と今後の展開について
・ 今年度発行予定の『日本古典文学翻訳事典2』の作業状況について
・ 『十帖源氏』の翻訳と研究について
・ グロッサリーの研究と編纂について
・ 今後発行予定の『海外平安文学研究ジャーナル』第5号、第6号について
・ 中古文学会フリースペース、就実大学での講演・展示についてのお知らせ
・ インドでおこなわれる国際集会(11月11日〜12日)についてのお知らせ
→会場:サヒタヤアカデミー、国際交流基金ニューデリー日本文化センター
テーマ1「『十帖源氏』を多言語訳するための方法と課題」
テーマ2「研究成果報告」(デリー大・ネルー大の修士・博士取得者)
テーマ3「パネルディスカッション」

● 発表「スペイン語版『伊勢物語』における官職名の訳語について:「大臣」「中将」「馬の頭」を中心に」(雨野弥生)
スペイン語版『伊勢物語』に登場する官職名を、翻訳者別に抽出・比較した結果について報告がありました。
→辞書の編集に携わる立場からスペイン語との対応を見ていったが、一対一の対称語の一覧表にはできないことがわかった。そこから大将・中将などのスペイン語訳を比較したところ、カベサス訳がもっとも律令制の体系に一致する訳語となっており、マス訳、ソロモノフ訳は階級イメージに混乱があることがわかった。カベサスは歴史用語や実際に使用されている単語を選択しており、歴史的知識の補完もおこなっているものの、それが中南米でも通じるイメージかは不明である。また、マス訳にはマッカラ(英語版)の影響の可能性がある。
→「平安文学翻訳史年表」のデータについて発表者から質問があった。1969年にスペイン語 のカベザス訳『伊勢物語』が刊行されているとの情報が掲載されていたが、該当する本が見当 たらないとのことであった。これについて後日調べてみると、スペイン語訳ではなく、Gaston. Renondeau,Contes d’Ise : Ise monogatariというフランス語訳であった。掲載誌はConnaissance de l’Orient, 27(Collection Unesco d’œuvres représentatives,Série japonaise)で、出版社はGallimardであることがわかった。あわせて1932年に刊行されているFritz,Rumpfによるドイツ語訳『伊勢物語』のDas Ise monogatari von 1608 und sein Einfluss auf die Buchillustration des XVII. Jahrhunderts in Japanについて、この本とこの本の影印が掲載されている山本登朗著『關西大學東西學術研究所研究叢刊 43 フリッツ・ルンプと伊勢物語版本』(関西大学出版会、2013年)にも、翻訳が掲載されていないのではないかという指摘を受けた。こちらについても後日確認したところ、翻訳は掲載されていなかった。「平安文学翻訳史年表」のデータは、本科研が始動する前からの蓄積されたデータを受け継いだものであり、改めてデータの確認が重要であることが再認識された。

● 発表「ウルドゥー語版『源氏物語』の特徴と問題点:「桐壺」を中心に」(村上明香)
→日本では知られていないウルドゥー語版『源氏物語』の翻訳者についての詳しい紹介、翻訳の特徴や姿勢について報告がありました。また、ウルドゥー語の単語に置き換えられた固有名詞について、スライドを用いたインドの画像・映像の紹介がありました。
→「ウルドゥー語版では、身分を表す固有名詞には対応する語が当てられているのか」(雨野)の質問に対して以下の意見がありました。
「インドでは地域・王宮によって状況が異なっている」(村上)
「インドでは王国はひとつではなく、事物に関わる情報は現代に伝わっていない。ラバーダ(服)について、どういう位置づけであったかわからない。インドにある様々なことを総攫えすることはできていない」(麻田)
→「インドの固有語に置き換えることで、イメージが現地のものになるのでは」(村上)という疑問に対して以下の意見がありました。
「フサイン訳は読みやすく、格調高く、よどみなく読めるいい訳。連想がそこまでいかないかもしれない。私たちがそうであるように、話の筋に関心がいくのでは」(麻田)
「削ぎ落として行くことで伝えたいことが明確になる。(翻訳された)その時代にストレートに物語を伝えたことは評価できるのではないか」(須藤)
「画像を見た感じでは、渡殿はインドのものとイメージは意外と合っているのでは」(畠山)
「輦車は、ウェイリー訳では“担架”になったが、ウルドゥー語では“輿”に当てられている。映像を見た限りではそう外れていない感じがする」(淺川)
「フサイン訳はウェイリー訳にかなり忠実。イギリス人であるウェイリーが英語の固有名詞に当てたものが、インドの言葉であるウルドゥー語の固有名詞に代わり、結果、西洋よりも日本と生活圏・風俗は類似しているため、多少近くなったのかも」(村上)

● 発表「『十帖源氏』桐壺の巻のウルドゥー語翻訳に関する所感」(麻田豊)
『十帖源氏』桐壺のウルドゥー語訳(別訳)の問題点、理想的な翻訳方法についての提案がありました。
→「インド(の言葉での翻訳)における翻訳者(母語)に求められる条件とは、どういったものか」(伊藤)に対して、以下の回答がありました。
「インドについては、paRhaa-likhaa、Ahl-e zabaanが条件ではないか。話せる=書ける、ではない。高いレベルの教養人であり、言語をうまく操れる人。Ahl-e zabaanについては、インド国内では、厳密にはオールドデリーで生まれ育たないとAhl-e zabaanとは言い難いという位の感覚がある」(麻田)
「高いレベル日本語が理解できる各国語母語話者を見つけることが大変に難しい」(伊藤)に対して、以下の意見があった。
「インドについては、日本語よりも英語がわかる人材を探す方が容易。日→ウではなく、英→ウであれば、人材の問題はかなり解決できるのでは」(麻田)

● 諸連絡(淺川槙子)
終了時間が迫っていたため、配布資料を閲覧していただくのにとどめました。
なお、研究会終了後に、『海外平安文学研究ジャーナル』に公開中の『十帖源氏』「桐壺」現代語訳にある、「中国でもこういう恋愛関係が原因となって、世も乱れ、とんでもないことにもなったと、世間の人もおもしろくない気がして、人々の悩みの種にもなり、」の一文が抜けているとの指摘を麻田先生からいただきました。後日、確認の上、訂正することになりました。

 

今回の発表内容についてはジャーナル5号以降に掲載予定です。

次回の研究会は12月を予定しています(於:京都)。

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2015年度更新&稼働報告

2015年度の本サイトの更新・稼働状況は以下の通りでした。

● 海外平安文学研究ジャーナル

vol. 3.0 2015/092/30発行、 vol. 4.0 2016/03/30発行(計2冊)

● 研究会

研究会第6回・7回を開催(計2回)

● 翻訳史データ追加・更新

『源氏物語』翻訳史 271件
平安文学翻訳史 555件(重版による重複を削除)

● 論文検索

翻訳 – 源氏物語・平安文学論文検索 479本
海外 – 源氏物語・平安文学論文 541本

● 運用

年月 訪問者数 ページビュー
2015年4月 785  4714
2015年5月 808  5646
2015年6月 819  8079
2015年7月 1631  9109
2015年8月 1038  6877
2015年9月 1064  5960
2015年10月 1336  8960
2015年11月 1114  8491
2015年12月 951  8476
2016年1月 1410  10938
2016年2月 1110  10592
2016年3月 1284  9090
合計 13350  92218

 

年月 総アクセス数 日 本 海 外 備考
2015年4月 2210 1399 811
2015年5月 2250 1553 697
2015年6月 3452 1566 1888
2015年7月 3937 2469 1468
2015年8月 1746 1288 458
2015年9月 2213 1307 906  海外平安文学研究ジャーナルvol.3発行
2015年10月 4274 3110 1164
2015年11月 3583 2576 1007
2015年12月 2698 1345 1353
2016年1月 2329 1800 529
2016年2月 3681 1081 2600
2016年3月 3009 1654 1355 海外平安文学研究ジャーナルvol.4発行
月平均 2897.6 1870.3 1027.4

第7回「海外における平安文学」研究会報告(2016/02/26)

2015年度 伊藤科研 第7回研究会
日時:2016年2月26日(金)16:30〜18:00
場所:大学コンソーシアム・キャンパスプラザ京都 第2演習室(5階)

2月26日(金)キャンパスプラザ京都にて、第7回研究会を開催しました。

●発表内容

・挨拶(伊藤鉄也)

・2015年度の研究報告(淺川槙子)/科研サイトの運営報告(加々良惠子)

・2016年度の研究計画(伊藤鉄也)

休憩(5分)

・研究発表「インド報告」(伊藤鉄也)

・研究発表「ウォッシュバーン訳の問題点」(緑川眞知子)

・研究報告「〈国際日本研究〉と日本文学研究  ―近時の体験と実見から―」(荒木浩)

・諸連絡(後片付け時間込み)

●報告

研究代表者・伊藤よりインドで発見したウルドゥー語版『源氏物語』の報告がありました。また、緑川先生より最新の英訳『源氏物語』の問題点について報告と質疑応答、荒木先生より国際日本研究についての報告もありました。

インド報告についてはジャーナル第4号、その他については第5号以降に掲載予定です。

次回の研究会は6月を予定している(於:東京)。

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中古文学会・秋季大会におけるリーフレット配布の報告

2015年10月24〜25日におこなわれた中古文学会(於:県立広島大)の交流広場(フリースペース)にて、本科研の活動をご案内するリーフレットを配布いたしました。同時に発行済の翻訳事典、ジャーナル1〜3号も1部ずつ持参し、来訪者の方々に手に取って内容を確認していただきました。

配布数は1日目13枚、2日目15枚で、計28枚でした。
お立ち寄りくださった方からは「こんなにたくさんの翻訳された古典があるとは知らなかった」「翻訳事典は市販されているのか」などの反応をいただきました。

翻訳事典・ジャーナルは、本サイトからダウンロードできます。また、図書館や研究室などで広く閲覧したいなど、印刷物をご希望の方は、詳細は本科研までお問い合わせください(ただし、翻訳事典のみ)。