「海外における平安文学及び多言語翻訳に関する研究」(2017年度 基盤研究(A)課題番号︰17H00912 研究代表者 伊藤鉄也)

 

朝顔 海外平安文学研究ジャーナルvol.4.0

海外平安文学研究ジャーナルvol.4.0
伊藤鉄也 編/2016年03月30日発刊(非売品)

●目次

あいさつ 伊藤 鉄也 p3

平成 26 年秋に創刊したオンライン版『海外平安文学研究ジャーナ ル』(ISSN:2188 ー 8035)は、お陰さまで好評のうちに号を重ね、今号 で4冊目となりました。

研究論文 ロシア語訳『源氏物語』とウォッシュバーンによる 新英訳の比較研究~<語り>・和歌・「もののあはれ」の観点から 土田久美子 p11

筆者は2007 年に学位を取得した博士論文において「ロシア文化を背景とするロシア人翻訳者が『源氏物語』をどのように理解したのか、その『源氏物語』観に基づいてどのような翻訳テクストを生み出したのか」という問題意識の下、タチアーナ・リィヴォヴナ・ソコロワ=デリューシナ氏によるロシア語訳『源氏物語』(1991 - 93 年)を<語り>の手法・和歌・「もののあはれ」といった観点から考察した。

研究論文 スペイン語版『伊勢物語』について 雨野弥生 p37

本科研(科学研究費補助金「基盤研究A 海外における源氏物語を中心とした平安文学及び各国語翻訳に関する総合的研究」)では、『源氏物語』のダイジェスト版である近世作品『十帖源氏』(野々口立圃)の現代語訳を作成し、さらに世界各国語へ翻訳をするという取り組みが行われており、2015 年8 月の第2 回研究会では「桐壺」巻の翻訳の検討がなされた。

研究会拾遺 ウルドゥー語訳『源氏物語』の完本発見 伊藤鉄也 p51

アラハバード大学図書館の書庫で、ウルドゥー語訳『源氏物語』の完本を、偶然とはいえ司書の方が見つけてくださったのです。あればいいが、との思いで、あてもなくとにかく書庫に入れていただきました。

翻訳の現場から 「十帖源氏」ヒンディー語訳の問題点 菊池智子 p61

ずいぶん前から『源氏物語』の翻訳にはたいへん興味がありました。『源氏物語』は、インド現地の大学の授業でヒンディー文学の教授が日本の代表的な文学として紹介するほど、知識人の間で人気のある作品なのです。いまだ日本語からヒンディー語への直接翻訳は実現していないので、私は学生の頃から是非翻訳したいと考えていました。しかしその量と難解な言葉になかなか手を出せずにおりました。その後『十帖源氏』プロジェクトに出会い、古文が現代文になったテキストを頂け、さらに適度な量でもあり、翻訳には最適ととても嬉しく思いました。しかし実際に翻訳作業を初めてみるとさまざまな問題に直面しました。

翻訳の現場から ウルドゥー語版『源氏物語』の色の世界 村上明香 p65

「文学を介せば、その国を容易に知ることができる」20世紀を代表するウルドゥー語女性作家イスマット・チュグターイー(1915-1991) がこう述べたように、わたし達は文学作品を読むことで異国の社会や文化、風土などの一端を容易に垣間見ることができる。しかし外国語作品を読む際、わたし達は多くの場合において翻訳に頼ることとなる。

翻訳の現場から 『十帖源氏』の多言語翻訳と系図について~「母の堅子」と「祖父の惟正」はどこから来てどこへ行ったのか 淺川槙子 p76

本科研は、『十帖源氏』「桐壺」巻を現代語に訳したものを多言語に翻訳し、日本文化の変容をみることを研究の柱の1つとしている。2014年~ 2015年度は、国文学研究資料館の初雁文庫蔵『十帖源氏』1(万治四年荒木利兵衛板)を底本として、畠山大二郎氏(國學院大學兼任講師)が「桐壺」巻の翻字および現代語訳の作成をし、稿者が補訂を行った。

【付録】各国語訳『源氏物語』『十帖源氏』「桐壺」翻訳データ  p99

各国語訳『源氏物語』・『十帖源氏』「桐壺」翻訳データ/源氏物語』「桐壺」(モンゴル語)/『十帖源氏』「桐壺」(英語・ロシア語・ヒンディー語・ウルドゥー語

執筆者一覧 p167

執筆者一覧

編集後記 p168

編集後記

研究組織 p169

研究組織

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